剛腕代理人が大谷を絶賛も…新労使協定は“足かせ”「境界線が引かれている」
新労使協定に不満、「世界最高峰の選手たちがプレーすることを許してはいない」
日本ハムは5日の契約更改の席で、大谷に来オフ以降のポスティングシステム(入札制度)でのメジャー挑戦を容認する意向を伝えた。ただ、ここにきて大きな問題が浮上している。選手会とMLBの間で成立したばかりの新労使協定では、大谷のメジャーでの契約が制限される可能性が出てきたのだ。
新労使協定では、「インターナショナル・ボーナス・プール」というルールの対象選手の年齢が、22歳以下から24歳以下に引き上げられた。さらに、ボーナス・プールの上限は500万ドル(約5億7000万円)に。他球団とのトレード等で金額枠が動かせるが、上積みできても最大で100万ドル(約1億1000万円)になるという。今年7月5日に22歳となったばかりの大谷が対象となるならば、25歳を迎える2019年までは大型契約は結べないことになる。
渡米時は、総額3億ドル(約340億円)の超大型契約となる可能性も伝えられていただけに、米メディアも影響の大きさを指摘。大谷が25歳となる2019年まで、メジャー挑戦に踏み切らないのではないかと懸念する声もあった。日本国内では、日本人選手にこのルールは適用されないとする報道もあったが、米メディアはウインターミーティングで大谷も例外ではないことを確認。改めて波紋が広がっている。
「ワシントン・ポスト」は「25歳ルールのため、『日本のベーブ・ルース』とも形容される二刀流のスーパースター、ショウヘイ・オオタニは早くても2019年まではMLBにやってこないだろう。日本ハムファイターズが2017年オフにポスティングを考えていると表明していたとしてもだ。球界関係者は、オオタニが2億ドル(約227億円)規模、もしくはそれ以上の契約をオープンマーケットで得るだろうとしている」と指摘。その上で、ボラス氏が以下のように話したことを紹介している。
「とても難しい状況だ。世界最高峰のアスリートが我々の世界にやってくるということに対して、境界線がひかれている。世界最高峰の選手たちがこの地でプレーすることを許してはいない」
剛腕代理人が、若手有望株にとって“足かせ”となる新労使協定の「欠陥」について吠えた形だ。早くもメジャーで話題の中心となっている大谷。どのような形で渡米することになるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count