山口が巨人にFA移籍のDeNA 補強ポイントから予想、人的補償で狙う選手は

野手ではセカンドとサードが狙い目、中井らが候補に

 次に考えられるのが、内野手だろう。特に、ポイントとなるのがセカンド、サードだ。今季はシーズン中盤から定着した宮崎を両ポジションで主に起用してきたが、右肘手術明けの石川、5月に加入した助っ人エリアンはレギュラーを固定するに至らず。ヤクルトを戦力外となったセカンド候補の田中浩、BCリーグ石川からサード候補のシリアコを獲得したがレギュラー級の活躍ができるかは不透明で、さらに戦力に厚みを与えたいところではある。

 内野で狙い目となるのは中井、藤村の中堅組、若手では吉川大、和田、辻あたりだろう。大穴で近年、出場機会に恵まれていない片岡がプロテクト漏れすれば、獲得に動く可能性は十分にある。

 一方、可能性が薄いとみられているのが捕手、外野手だ。捕手はルーキー戸柱が正捕手を掴み、ラミレス監督からの信頼も厚い。控え捕手で見ても高城に加えて、秋季キャンプMVPに選ばれた嶺井と揃っている。仮に実績十分の実松、相川、若手の宇佐見らがプロテクト外となっても、投手、野手の優先度と比較すると、指名の可能性は低い。

 外野についても同様で、筒香、梶谷と球団の顔とも呼べる両翼に今季はセンターに23歳の桑原が定着。控えにも実績のある荒波、将来性のある関根、乙坂と顔ぶれが揃っている。亀井、松本ら実績ある選手がプロテクト漏れとなっても、指名しないと見られる。

 DeNAの球団幹部は「いい人がいれば、もちろん獲りたい。人的か金銭か、リストが来てからじっくりと考えたい」と話している。過去のFAの歴史を振り返れば、ヤクルト・福地寿樹(08年に石井一久の補償で西武から移籍)が盗塁王を獲得し、最近では広島・一岡竜司(14年に大竹寛の補償で巨人から移籍)が中継ぎでブレイクしたように、狙い次第では十分に戦力になりうるのが人的補償だ。果たして、DeNAはエース流出の窮地をチャンスに変えられるか。決断に注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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