アジア初制覇に大きく貢献 2度の右目手術乗り越えた侍ジャパンU-12の右腕

2度の右目内視鏡手術を乗り越え完治、「世界で通用する選手に」

「緊張して腕が振れませんでした」という初回の反省を生かし、2回は気持ちを切り替えて投げた。遊ゴロで1死を取った後、2つの空振り三振で3者凡退。「緩急を使い、三振を2つも取れて良かったです」。3回の先頭打者に中前打を打たれてマウンドを星子天真主将に譲ったが、緊張の中、先発投手として無失点で切り抜けた。

 高橋が所属する日高軟式野球クラブの監督で、侍ジャパンU-12代表の西浦生記コーチは「ゲームを作るのが上手い子。今日は緊張していたけど、自分のピッチングをして粘ってくれましたね」と称えた。

 これまで2度、右目の内斜視で手術を受けている。遠近感がつかめず、「右目をつぶって左目だけでボールを見て捕ることもありました」と父・寛之さん。ボールが小さい野球ではなく、サッカーやフットサルの教室に通ったこともあったが、完治して野球を続けた。そして、愛媛県の推薦で選考合宿に参加し、侍ジャパンU-12代表に選ばれた。

 2試合で先発を任され、チームの優勝に貢献。「アジアには日本よりすごい選手がいっぱいいました。もっとうまくなって、世界で通用する選手になりたいです」。この経験を糧に大きく成長する。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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