チャプマンの「酷使」発言にマドン監督が大人の対応「彼の発言に感謝する」
選手からの信頼厚いマドン監督、メジャーでもプレーオフは投手がフル稼働
さらに、マドン監督は「彼の発言には感謝するよ。そう思ったにしても、その時やその後には教えてくれなかったから」と言及。記事では、名将として知られるマドン監督が「選手とのコミュニケーションが密なことで知られる」と強調した上で、「結局のところ、彼無しには勝てなかったし、彼のしてくれた全てに感謝している。ただ、約束事は全て守ってきたし、試合前に話して合意した事に基づいて動いたと誓うよ」と続けたことも記している。
カブスを108年ぶりの世界一に導いた指揮官は、レイズ時代から選手に信頼を寄せられていることで知られている。レイズ時代に中心選手としてワールドシリーズ進出に貢献した岩村明憲氏や、現役最終年に所属してシーズン中に戦力外となった松井秀喜氏も、マドン監督に信頼を寄せていた。
また、球数制限などが厳しいメジャーでも、ポストシーズンでは投手が身を粉にしてマウンドに上がることが多い。2014年にはマディソン・バムガーナー投手が第1戦、第5戦(完封)で先発した後、第7戦で5回からリリーフ登板してジャイアンツを世界一に導いた。今季もドジャースは第1戦のスターターだったクレイトン・カーショー投手が、中3日で第4戦にも先発。さらに、第5戦は9回に登板してセーブを挙げた。クローザーのケンリー・ジャンセン投手もリーグ優勝決定シリーズの第2戦で2回、第3戦で1回1/3を投げた後、第6戦では6回から登板して3イニングを投げきっている。
記事の中で、マドン監督は「登板させる試合では必ず彼と通訳と話し、彼が万全かどうか確かめてきた。シーズン中は複数イニングを投げることを好まなかったのでそれはやめたりね。だから、プレーオフにそういった起用法をするのはどうなのか彼に尋ねたんだ。どう感じるかと聞いたら彼は問題ないと答えたよ」とも回顧。一方で、チャプマンも入団会見時に「彼による起用法について自分の意見は一度も言わなかった。野球選手として自分が思うに、我々は戦士であり、戦場ですべきことへの準備をすることが仕事だ。彼らに投げるよう送り出されたら出て行って投げる。もし自分が健康なら、出て行って投げる」と明かしている。
同紙は最後に「ヤンキースに帰ってきた今、彼はカブスでの経験をもとにさらに良くなっていることだろう」との一言で締めくくっている。また、マドン監督の発言を取り上げたFOXスポーツは、今回の問題は「一件落着」だと伝えた。世界一を経験した剛腕クローザーは、名門球団で再び期待通りの活躍を出来るだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count