「欲が出てしまった」 ロッテ23年目・福浦和也の後悔

自身のポリシー貫けなかった弱さを猛省

 悔しさと後悔の念が大ベテランを襲う。ようやく状態が完治し、7月に1軍昇格。開幕から1軍にいた、それまでのシーズンとは気づかない部分で気持ちの変化が起きていた。スタンドからヒットを期待するファンの大声援。そして自らも心のどこかで結果を求めていた。本来のゾーンからボール一つ分ほど広げて、投手の投じるボールを狙った。その結果が功を奏した場面もあれば、凡打となったこともあった。ただ、そのいくつかの失敗は自身のポリシーからは決して許せるものではなかった。

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ロッテ・福浦和也【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

 だから、オフに入るとすぐに再始動をした。自身の体に語りかけるように走り、ウェートトレーニングを繰り返した。肩も作った。時には球場に誰もいない時がある。そんな時は外野フェンス相手にボールを投じ、肩を温めた。一人の時間。頭の中で『人としての欲』を何度も考えた。いかなる状況であれ、自身のポリシーを貫けなかった自分の人間としての弱さを猛省し、心を整理し直す日々にした。

「今でも悔しいよ。本来は塁に出ることができれば、四球でも死球でもなんでもいいんだよ。チームの勝利に貢献出来れば。だから、もっともっと与えられた打席を大切にしないといけない」

 2017年シーズンに向けて新たな一歩はすでに始まっている。今年、体重が少し落ちた反省から夜、寝る前にプロテインを飲むなどしてビルドアップも心がけている。また、若い頃、よく行っていた砂浜でのランニングも再開した。

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