戦力外、現役引退からコーチへ 元捕手が目指す「選手に寄り添う」指導とは
理想とする指導者は…「引き出しを増やしていきたい」
「地元で野球少年たちと触れ合える機会。こういう時しかないので、毎年、楽しみにしています」。自身の結婚式翌日でも参加するなど、星氏にとって今回で13回目となったNPO法人野球振興ふるさと宮城プロ野球選手・OB会の野球教室。昨年までは現役選手として参加していたが、今年は現役を引退。来年から西武の2軍育成コーチとして指導者人生が始まる節目での野球教室となった。
地元の野球少年たちと触れ合う、星孝典氏【写真:高橋昌江】
名取市の出身で仙台育英高、東北学院大を経て、04年ドラフトで巨人に入団した。11年5月に金銭トレードで西武に移籍。昨年、今年と1軍出場はなく、戦力外通告を受けて現役を引退した。来季からは2軍育成コーチとなり、若手の指導に当たる。1軍を目指す若い選手たちを指導する上で、心がけたいことは?
「長いスパンで教えられる、向き合える選手たちに対しては押し付けたくないなとは思いますね。僕自身、まだまだ勉強して知識も増やしていかなければいけません。みんなプロですから、自分なりの考えを持っているので、理想としては、気づいてもらえればいいのかなと思います。こだわりはあるかもしれませんが、何年かで結果を残さないといけない世界。ゆっくりもしていられませんが、自分で見つけて納得してほしい。その引き出しを増やしていきたいと思います」
1つの理想として、恩師である仙台育英高・佐々木順一朗監督の名前が出てきた。
「佐々木順一朗先生がそうなのですが、答えを言わないんですよ。抽象的な例えしか言わないので」