松坂炎上、城所覚醒、11.5差逆転V逸…ソフトバンクの2016年10大ニュース

「怪物」は日本復帰後初登板で大炎上、ベストナインはまさかのゼロ

○日本球界復帰の和田が最多勝&最高勝率

 5年ぶりに日本球界に復帰した和田毅が大車輪の活躍を見せた。シーズン序盤から勝ち星を積み重ね、15勝5敗、勝率7割5分で2つのタイトルを獲得した。圧巻だったのが、7、8月の日本ハムとの直接対決。3度先発して全勝と、ここ一番での勝負強さはさすがだった。ただ、シーズン最終盤で左肘痛を発症。最後の最後で離脱し、クライマックスシリーズにも登板できなかった。

○11.5ゲーム差をひっくり返されてV逸

 一時は日本ハムに11.5ゲーム差をつけて、首位を独走していた。だが、日本ハムが驚異の15連勝をマークするなど猛追してくると、ソフトバンクは夏場に急失速。柳田、和田とチームの中核の離脱も重なり、大逆転を許した。9月28日のロッテ戦(QVC)の試合中に、西武を下した日本ハムの優勝が決定。クライマックスシリーズでも、シーズン中に日本ハムとの相性の悪さがそのままに出て敗退。3年連続日本一の夢が散った。

○松坂が日本球界復帰後、初の1軍登板も大炎上

 今季最終戦となった10月2日の楽天戦(コボスタ宮城)で、15年に日本球界に復帰した松坂大輔が復帰後初の1軍登板。15年8月に右肩手術。リハビリを乗り越えての1軍のマウンドに、登板時には楽天ファンからも大きな歓声が上がった。だが、結果は制球が定まらずに4連続四死球を与えるなど、8回の1イニングだけで5失点だった。今オフはプエルトリコのウィンターリーグに参戦。ノーワインドアップに取り組むなど、復活に向けての試行錯誤を行なっている。

○83勝しながら、まさかのベストナイン0人

 2位に終わったシーズンながら、積み上げた白星は83個。強さを見せたシーズンだったが、オフに入って発表されたベストナインへの選出は、まさかのゼロ。ソフトバンクからベストナイン選出者がなかったのは、2008年以来のことだった。

○細川が戦力外となり退団

 ファンだけでなく、チームメートにも衝撃を与えたのが、オフに発表された細川亨の退団。球団の来季戦力の構想外となり、ファームのバッテリーコーチ就任を打診された。だが、本人は現役へのこだわりが強く、これを固辞。自由契約となり、楽天への移籍が決定。来季は同じパ・リーグで敵として戦うことに。自チームのデータを知るだけに、来季は手強い相手となりそうだ。

 さまざまなことがあった1年間だったが、何よりも優勝を逃したことが、選手、ファンには堪えたことだろう。来季はV奪還が至上命令。ソフトバンクはどんな戦いを見せるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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