HR量産、名言連発、涙のFA、番長引退…初CSのDeNA、2016年10大ニュース

涙でエースはFA移籍、現役最年長は引退登板

○観客動員数が史上最多193万人を記録

 好調なチーム成績に比例するようにして観客動員数は今年も増加。主催72試合で193万9146人を動員した。これは日本一となった98年の185万7000人を超え、前身の横浜時代を通じて球団史上最多。大入り満員回数54、完売回数31も同じく史上最多となり、座席稼働率93.3%で推移した本拠地・横浜スタジアムではチケットが“プラチナ化”した。なお、来季のシーズンシートは史上最速となる12月15日に完売し、来季も満員状態のハマスタが続きそうだ。

○須田、梶谷が執念でCS最終ステージ奮闘

 初出場したCSでも勢いは止まらなかった。第1ステージでは第3戦で延長戦の末に巨人を破り、最終ステージに進出。広島との最終ステージでは、第1ステージで左手薬指骨折していた梶谷が強行出場して本塁打、中継ぎで田中とともにチームを支えた須田が左太もも肉離れから驚異の回復で復帰して好投するなど、執念のプレーでチームに貢献。1勝4敗(広島のアドバンテージ1勝を含む)で敗れはしたが、ファンの心を打つ4試合となった。

○池田社長退任、後任にハマスタ社長

 CS最終ステージ敗退の翌日、池田純球団社長が任期満了に伴い、退任が発表された。11年12月の球界参入以来、初代社長として尽力し、本拠地・横浜スタジアムの株式公開買い付け(TOB)を実現。30億円近かった赤字を5年間で黒字に転換させた。後任には横浜スタジアム社長を務めていた岡村信悟氏が球団社長を兼務する形で就任。20年には東京五輪の野球・ソフトボールのメイン会場にハマスタが決まり、歴史的なイベントに向けても手腕を発揮していく。

○山口が涙のFA宣言で巨人入り

 オフに話題の中心となったのが、山口のFA問題だった。今季取得した国内FA権について「野球選手として評価というものを大事にしたかった」と涙ながらに行使を宣言。以降、宣言残留を認めているDeNAと巨人、中日の3球団による争奪戦となったが、悩み抜いた末に巨人入りを決断した。ラミレス監督が「エース」と呼んだ今季11勝右腕の流出は痛手となるが、球団は新助っ人のクレイン、ウィーランドを獲得。積極的な補強で来季に向け、準備を進めている。

○三浦引退、現役生活25年に男泣きで幕

 2016年だけでなく、横浜の歴史を語る上で欠かせない男がユニホームを脱いだ。現役最年長の「ハマの番長」こと三浦が、今季限りでの引退を決断。92年に入団し、最後の大洋戦士として横浜一筋でプレー、FA宣言した08年オフも阪神移籍と悩んだ末に残留した。通算成績は172勝184敗。昨年、プロ野球タイ記録の23年連続勝利を達成し、今年は「投手による連続シーズン安打記録」として24年連続安打がギネス記録に認定された。

 今年は勝利を挙げることはできなかったが、引退登板となった9月29日のヤクルト戦(横浜)では選手全員が三浦の背番号18を着てプレー。7回途中12安打10失点と打たれても、最後は涙ながらに投じた渾身の直球で雄平を空振り三振に斬った。涙のナイン、ファンに見守られながら降板。引退セレモニーでは「三浦大輔はこれからもずっと横浜です。ヨロシク!」と挨拶し、感動を呼んだ。来季は三浦が98年に果たして以来のリーグ優勝に向け、番長の思いも背負ってチーム一丸で歩んでいく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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