山田、バレ、ベテラン両腕の記録達成は? ヤクルト、2017年注目ニュース
山田はWBC出場で3年連続大記録に影響は? 15年ドラ2&16年ドラ1の飛躍は?
15年の優勝から一転、昨季は故障者続出で5位に沈み、クライマックスシリーズ出場も逃したヤクルト。就任3年目を迎える真中監督の下、2年ぶりのリーグ制覇へ、カギを握るものは何か。2017年の注目ニュースとしてピックアップした。
〇山田哲人、3年連続トリプルスリーなるか
昨季は133試合で打率.304、38本塁打、102打点、30盗塁。プロ野球史上初の2年連続トリプルスリーを達成した。前半戦は88試合、打率.350、29本塁打、20盗塁と好調だったが、死球による故障離脱もあった後半戦は45試合、打率.211、9本塁打、10盗塁と成績を落としただけに、万全の状態でシーズンを戦うことが求められる。また、3月には主軸として期待される第4回WBCへの出場が決定。例年より早まる調整が、結果にどのような影響を与えるか。
〇“ヤ戦病院”を今年こそ回避できるか
昨季は主砲・バレンティン(左脇腹肉離れ)が開幕2軍スタートとなり、シーズン中は15年のリーグVを支えた山田哲人(左第八肋骨骨挫傷)、川端慎吾(右足舟状骨骨折)、畠山和洋(左手首痛)、雄平(左脇腹痛)、大引啓次(腰痛)と主軸に故障者が続出。投手では石川雅規(左ふくらはぎ痛)、館山昌平(右肘手術)、ドラフト1位の原樹理(右肩甲下筋肉離れ)、古野正人(右肩痛)と続々と戦線離脱した。故障者の多さは、ここ数年続いている課題。“ヤ戦病院”回避が、V奪回への最大の鍵となりそうだ。
〇由規、完全復活へ
11年9月に右肩を痛めて以降、度重なる故障に苦しんできたが、昨年7月9日の中日戦(神宮)で5年ぶりに1軍登板。同24日の中日戦(ナゴヤドーム)で5回1/3を4安打2失点に抑え、1786日ぶりの白星をつかみ、復活の兆しを見せた。昨季は5試合登板、2勝3敗、防御率4.56。最速161キロをマークしたこともあるかつての剛腕。今季はチームとしても課題の先発ローテ入りに期待がかかる。
〇寺島成輝、先発ローテ入りなるか
履正社高から単独1位指名で入団した左腕は、横浜高・藤平(楽天ドラフト1位)、花咲徳栄高・高橋(広島ドラフト2位)らと「高校BIG3」を形成。最速150キロの直球でも勝負ができる。先発ローテは手薄なだけに、1年目から一角を担える好素材だ。未来のエース候補が新人王争いに加わることができれば、チームの浮上も見えてくる。
〇中村か西田か…正捕手争いは?
昨季の捕手スタメンは中村悠平が105試合、西田明央が38試合だったが、シーズン終盤は西田が打力を生かして先発マスクをかぶった。15年リーグV当時の正捕手だった中村はどこまで巻き返すか。
〇19歳・廣岡大志、ブレイクなるか
15年ドラフト2位で智弁学園高から入団した1年目の昨季、9月29日のDeNA戦(横浜)で「8番・遊撃」で1軍デビュー。2回に迎えた初打席、引退試合に臨んだ三浦大輔からプロ初アーチとなる3ラン。高卒新人野手による初打席初本塁打は1960年の中日・高木守道以来、56年ぶりの快挙だった。わずか2試合出場だったが、打率.429(7打数3安打)、1本塁打、3打点を記録した。オフに出場したU-23ワールドカップ(メキシコ)でも決勝・豪州戦で3ランを放ち、優勝に貢献。来季の飛躍が期待されている。
〇バレンティン、NPB通算200本塁打へ
13年にNPB新記録となる60本塁打を放ち、昨季は2年ぶりの30発超えとなる31本塁打をマーク。ヤクルト在籍6年間で185本塁打を放ってきた。3年契約最終年の昨季から単年で契約延長。真中監督はバレ砲のレギュラー白紙を強調しているが、あと15本と迫った大台に軽々とシーズン序盤で乗せる活躍を見せたいところだ。
〇館山&成瀬、通算100勝へ
3年契約2年目を迎える館山は通算85勝。昨季は3年ぶりに先発ローテ入りしたものの、4月下旬に右肘を手術。1勝4敗、防御率7.24にとどまった。09年に16勝を挙げて最多勝に輝き、度重なる故障を乗り越えてきた35歳のベテランは大台へどこまで近づくことができるか。31歳の成瀬はヤクルトに移籍した15、16年と3勝止まり。通算96勝と大台へカウントダウンに入っているが、思うように勝ち星を伸ばせていない。ロッテ時代の07年には16勝1敗の好成績を残した左腕。往年の変化球のキレを取り戻し、節目となる記録突破を期待したい。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count