キューバ151連勝止める快挙 元日本代表監督が語る「日の丸を背負うこと」

日の丸を背負う意義、「上原はベテランから学んだことも多いと思う」

「福留はすでに五輪も経験していて、国際大会にも慣れていました。上原や高橋、二岡(智宏、当時近畿大)は、学生のトップクラスでした。高橋はアトランタ五輪の後に頭角を現してきましたね。振りは当時からすごかったですよ。上原は杉浦投手など社会人のベテランピッチャーと色々な話をしていましたから、ベテランから学んだことも多いと思います。

 国際大会は、他の国の野球がどのようなものか、どんな環境で野球をしているのか、など日本の常識が通用しないこともありますので、学生にとっては非常にいい経験になります。当時は日本人のメジャーリーガー自体が少なかったですから、まさか上原、福留がメジャー入りをする、そこで活躍するとは思ってもいませんでした」

 シドニー五輪で4位に終わり、日本野球史上初めてメダル獲得を逃す屈辱を味わった当時のチームの選手たちが国際大会の経験を経て大きく成長していく姿を目の当たりにした大田垣さんだからこそ、「代表として戦える機会があるなら、諸事情をクリアしてぜひ積極的に参加してほしい」との思いを口にする。

 今年のWBCメンバーにはメジャーリーガーとして青木宣親(アストロズ)が代表入りする一方、上原はチーム事情もあり出場を辞退した。大田垣さんは「チームを編成する側としては、メジャーリーガーにも参加して欲しいと思いますが、所属球団の考え方もありますから仕方ないですね」と話しつつ、「日の丸を付けて戦うと、日の丸の重さは染みつくんだと思います。『選ばれて来た。選ばれたことに対して精いっぱい頑張ろう』という気持ちが強くなると思います。この気持ちは、実際に代表として公式国際大会で戦わないと、なかなか感じられないと思います」と、代表チームの一員としてプレーする意義を訴える。

 日本代表は近年、「侍ジャパン」としてU-12からトップチームまでプロ・アマが結束する体制が整備された。こうした活動により、少しずつ代表チームの意識付けができてきたと大田垣さんは感じている。昨年行われた各カテゴリーの国際大会では全て決勝進出を果たし、侍ジャパンU-15代表以外はU-12、U-18、U-23、女子(W杯5連覇)とも頂点に立った。大学代表も日米大学野球選手権で優勝しており、計6大会で金メダル5個、銀メダル1個を獲得している。

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