辻新監督、菊池の飛躍、正遊撃手…チーム再建目指す西武17年注目ニュース

森は炭谷の脅威になるか、警戒される盗塁王・金子侑は…

○捕手・森は正捕手・炭谷をどこまで脅かせるか

 昨季は、ルーキーイヤーの2014年以来2年ぶりに捕手として起用された森友哉。26試合でマスクを被り、そのうち22試合が先発だった。フル出場でマスクを被る試合も大幅に増え、さらには1カード全てのスタメンマスクを任されることも経験した。1年目は、捕手として出場する負担が、最大の武器である打撃に明らかなマイナス影響を及ぼしてしまったが、昨季はその課題を見事にクリアした。辻新監督も「捕手しか考えていない」と断言し、本人も「銀さんにライバルだと思ってもらえる存在になりたい」と気合十分。2009年以来、怪我での長期離脱を除いて正捕手に君臨し続ける炭谷銀仁朗に真っ向勝負を挑む。無論、炭谷も黙って譲る気は毛頭ない。昨季は、攻守にわたり「何もかも納得いってない。悔しいの一言」に終わった。特に「守備を一から見つめ直さないと」と自戒し、今季は原点回帰のシーズンとすることを誓っている。果たして、森は炭谷の脅威になれるのか。はたまた『侍JAPAN』経験者・炭谷が実力差を見せつけるか。大きな見どころである。

○ドラ1今井の1軍活躍はあるか?

 西武は2012年シーズンから5年連続で、ドラフト1位選手が1年目からしっかりと活躍を見せている。即戦力として獲得する社会人卒に限らず、2014年入団の森(3試合連続本塁打など)、15年の高橋光成(5勝2敗1完封、月間MVP最年少受賞など)と、高卒ルーキーもそれぞれ印象的な活躍を見せ、実力を発揮している。今季のドラ1投手・今井達也も高卒だが、森、高橋光に続くことができるか。2016年夏の甲子園優勝投手(作新学院)という強運の持ち主。さらに、「入団時の岸(孝之/楽天)みたいで、ものすごくバネがある。キャッチボールの球質も素晴らしい」と、自主トレを見た関係者が揃って絶賛するポテンシャルを兼ね備えているだけに、期待度は高い。

○盗塁王・金子侑は盗塁数を増やせるか?

 53盗塁を記録し、盗塁王のタイトルを獲得した金子侑司が、今季どれだけの盗塁数を挙げるかは非常に気になるところだ。当然、タイトル保持者に対し、相手チームの警戒が強まることはいうまでもない。また、昨季は1番打者に固定され、周りの打者の多大な協力もあったことも受賞の大きな要因となったが、打順など今季の起用法によっては、昨季とは違う状況になる可能性もある。その中で、いかにして武器を発揮できるのか。昨季は「変わった自分を見せたい」と決意し、実際に台頭を見せられたからこそ、今季がさらに重要になることを本人も熟知している。“辻野球”の中でどれだけ足で生きるか。実に楽しみだ。

【了】

上岡真里江●文 text by Marie Kamioka

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY