マーリンズ田澤へWBC参加要請 地元紙が「日本球界との関係改善」に注目

2013年は田澤以外の日本人メジャーリーガーに招集打診

 こういった背景があるからこそ、今回第4回大会に向けて、田澤に招集の打診があったことは、記事が指摘する通り「日本球界との関係改善に向けて大きく前進した」と言えるだろう。「彼は参加要請を受けたことを光栄に思った」「母国を誇りに思うからこそ、彼にとって大きな意味があった」という代理人バレロ氏の言葉は、8年の月日を経て、ようやく雪解けしつつある日本球界との関係性を喜ぶ田澤の素直な気持ちだろう。

 惜しむらくは、タイミングの悪さだ。田澤は今オフに初めてFA権を獲得し、マーリンズへ移籍。2年契約を結んでくれたチームに対する「大きな責務」を感じるのは当然のことだろう。これが2年前だったら、あるいは1年前だったら、田澤は侍ジャパン参加の選択肢を取ったかもしれない。訪れることはないはずだった侍ジャパン入りのチャンスを、みすみす手放さなければならなかった決断は、周囲が考える以上に大きなものだっただろう。

 記事内でバレロ氏が言うように「彼ら(NPB)がWBC出場を打診してくれたことは、いい兆候の1つ」。米球界も注目する田澤と日本球界の関係は、これからまた少しずつ改善の方向に向かうのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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