通算13発すべてソロ、登録名&背番号変更…奮起待たれるDeNAのドラ1たち

登録名&背番号変更した外野手、3球団競合の外れ1位右腕も

 筒香の前年にドラフト1位指名されていたのが、9年目の松本啓二朗だ。

 08年に阪神との2球団競合の末に早大からドラフト1位で入団。しかし、即戦力外野手として期待されながら打撃で苦しみ、入団以来、1軍に定着できず。登録名を「啓二朗」に一時変更し、14年から背番号6から61に変更。30歳を迎えた昨季は怪我もあって自己ワーストの11試合出場にとどまり、苦しいシーズンとなった。

 それでも、昨年11月の契約更改では球団から「まだ期待している」と言葉をかけられた。ファームでは本職ではないファーストもこなし、「1軍にいられるなら、なんでもやる」と意気込みを見せた松本。外野は筒香、梶谷、桑原がそろって層は厚いが、若いチームで1軍に定着できれば、貴重な中堅組として頼れる存在となるはずだ。

 近年の1位指名で歯がゆい思いをしている投手もいる。4年目の柿田裕太だ。

 13年のドラフトで桐光学園・松井裕樹(現楽天)の交渉権を外した後、阪神、日本ハムとの3球団競合の末に引き当てた。小林誠司(現巨人)ら日本生命から4人同時に指名を受け、鳴り物入りで入団。内角に投げ込む強気な投球を売りとしていた右腕はローテーション投手として期待を受けたが、制球にも苦しみ、3シーズンで1軍登板なし。今オフに背番号13から91に変更された。

 背水のシーズン、今年25歳を迎える。キャンプは2軍スタートとなったが、先発・中継ぎ問わずに結果を残し、若手との競争に勝って1軍昇格を目指すしかない。特に先発陣が山口がFAで巨人へ移籍し、右の日本人の先発候補が手薄なだけに、存在をアピールするチャンスでもある。

 ドラフト1位はスカウト陣が見つけ出した逸材を球団が見込んで、いの一番に指名する選手たちである。仮に結果が出ていなくても、その期待に応えるチャンスはユニホームを着ている限り、ある。19年ぶりの優勝を目指すチームで、そんな元ドラ1たちが奮起できるのか。それは、今季のDeNAにとって一つの見ものでもある。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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