連覇を狙うカブスの盤石なブルペン セットアップ要員は上原ほか3投手
守護神はデービス、セットアッパーには…
昨季のワールドシリーズ制覇に続き、今季は近年ではすっかり珍しくなった連覇を狙うカブス。頂点をつかんだからと王座に胡座をかくことなく、今オフも積極的な補強に取り組んだ。その筆頭が、ロイヤルズからトレードで獲得した守護神ウェイド・デービスの加入だろう。球団公式サイトでは、ファンの質問を受けたマスカット記者が、贅沢すぎるブルペンの現状を説明している。
記事では、ファンから寄せられた「ウェイド・デービスが抑えなら、ヘクター・ロンドンがセットアッパーですか? それともコウジ・ウエハラ? 2人とも? カブスはどうブルペンを使うのでしょう?」という質問に番記者のマスカット記者が返答。「状況によって、ロンドン、ウエハラ、ペドロ・ストロップ、カール・エドワーズJr.が交替でセットアッパーを務めることになるでしょう」と、セットアッパー4人体制という手厚い布陣を明かしている。
昨季途中にチャプマンが加入する前は守護神だったロンドンは、2014年から3シーズンで77セーブを記録。13年のデビュー以来、235試合に投げて防御率2.97、WHIP(1イニングあたりの与四球数+被安打数)は1.10という成績だった。右腕のストロップは、2013年途中にオリオールズからカブスへ移籍してからセットアッパーとして活躍。カブスでは232試合に投げて防御率2.68、WHIP0.984という好成績。今季3年目を迎えるエドワーズは、通算41試合で防御率3.76、WHIP0.86の成績で、将来の守護神候補だ。この3人に、2013年に守護神としてレッドソックスを世界一へ導いた上原が加わるのだから、カブスのブルペンは鉄壁と言っても過言ではないだろう。
マスカット記者によれば、カブスのマドン監督は「最高のマッチアップの準備ができるように、試合では何よりもブルペンの起用法について考えている」という。レイズ時代の愛弟子で、いまや球界屈指のクローザーとなったデービスを迎え、さらには豪華なセットアッパー4人を抱えるマドン監督は、強打者封じに向けて思い通りの対策を講じることが可能となったと言えるだろう。
近年は強力ブルペンを持つチームが世界一に輝く傾向にある。昨季に増してさらに強化されたブルペンを擁するカブスの連覇は、思いの外、絵空事ではないのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Co