ドラ1トリオら若手を多数A組に抜擢したホークス、工藤監督の狙いは?

若手のA組抜擢で生まれる競争意識と過酷なサバイバル

 先に記したように、このキャンプには多数の若手選手がA組に名を連ねた。ここには、期待はもちろん、「競争」の原理を働かせることも狙いにあるだろう。第1クールから投手陣のバッティングピッチャーでの登板が予定されており、その相手はもちろん若手の野手が中心となるだろう。早い段階でシート打撃などの実戦形式も組み込まれてくるはずだ。若手が結果を残せば、自ずと主力組にもプレッシャーはかかる。例年よりも早仕上げの感があるキャンプ。アピールの場になる反面、サバイバルの様相も色濃い。この「競争」こそが、ソフトバンクの戦力をもうワンランク上へと引き上げるテーマとなるに違いない。

 これまで工藤監督は「競争」の重要性をたびたび訴えてきた。常勝軍団を作るためには、競争が不可欠だ、と。若手をA組に置くことで「競争原理」を働かせ、主力に慢心を生ませない。そして、主力と練習させることで、若手たちの「成長」や「育成」につなげる。チーム全体の底上げを図るための1か月になるだろう。

 就任後の2年間で工藤監督自ら若手に練習メニューを課すなど、徹底的に体を鍛えさせてきた。そして、オフの自主トレの重要性も説いてきた。キャンプは指揮官にとって、オフの成果を確認する場でもある。

 工藤体制で3年目を迎える春のキャンプ。選手たちは指揮官はじめ、首脳陣から、より厳しい目を向けられるだろう。過酷なサバイバルを生き残り、開幕1軍の座をつかむのは、一体誰か。12球団イチの戦力層を誇るソフトバンク。宮崎の地で、熾烈な競争の日々が始まる。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY