欲しいのは「自信、安心感」 松坂大輔、初日に良化の兆しも「手応えまだ」
投球フォームは「ずっとやってきたこと」、「体はスムーズに動いていた」
昨季までの松坂は重心の位置が高く、踏み出した足に体重が乗り切らず、どうしても上半身に頼った投げ方となっているように見えた。ところが、この日の投球を見ると、腰の位置が下がり、体重が踏み出した左足に乗り、跳ね上がるようなフィニッシュとなっていた。
松坂自身は「それだけではいいとは判断出来ないですね。前に行くのが早いときもあるので」と言う。ただ、一昨季、そして昨季のフォームよりも、確実に良化しているのではないだろうか。
「何球かは気になるボールはありましたけど、体はスムーズに動いていた」と話す右腕。投球フォームに関しては「ずっとやってきたこと。今、特別に気をつけていることはないですね」という。
右肩に不安を抱えていた入団1年目、手術明けで患部の状態を常に気遣いながら過ごした2年目。そして、オフにプエルトリコで実戦登板までして迎えた3年目。これまでの春季キャンプとは肉体的にも、精神的にも違うものだろう。
「手応えはまだないですね。そう思える自信、安心感がそのうち出てきたらいいですけど……」
復活を目指す今季。苦しく、険しい道かもしれない。それでも、再び1軍のマウンドで輝くため、松坂大輔の戦いは続く。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani