若手から見れば「凄いおじさん」 41歳ベテランが24年目キャンプで抱く思い

昔はキャンプに「行きたくなかった」

 同じ年には立川隆史外野手(現野球評論家)、大塚明外野手(現二軍外野守備走塁コーチ)、小野晋吾投手(現二軍投手コーチ)らがいた。いずれも二軍スタートだった。同部屋の小野晋吾が卒業式参加のため途中でキャンプを離脱した。自身の卒業式は1か月後。たまらなく羨ましかった。

 覚えているのは全体練習後の坂道ダッシュ。曲がりくねった道を何度も登った。グラウンドでの練習が終わってからも夕食後は大広間でシャドーピッチングを繰り返した。当時、投手だった福浦は一流のピッチャーになるべく黙々とこなした。

 あれから月日が流れた。福浦は投手から野手に転向をし、そこから一流を極めた。出場した試合は2082。記録した安打は1932。プロ24年目を迎え、今年またチームと共にキャンプに参加をするため石垣島に向った。

「昔はキャンプといえば行きたくなかったよね。今は、もうそんな時期か、早いなあという気持ちにはなる。でも楽しみだよ。とにかく若くはないのだから怪我をしないこと」

 調整のため二軍キャンプスタート。41歳の大ベテランは18歳の新人と一緒に汗を流している。「あの時のオレと同じ感覚なのかなあ。うわあ、凄いおじさんがいるって(笑)」。そう言って優しい目で高卒新人たちを見つめた。

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