ロッテ石川に訪れた「不思議な縁」、WBC出場「高校時代の僕が聞いたら腰抜かす」

紙一重でつながった野球人生、「本当に不思議な縁」

 野球人生はこうして、紙一重のところで繋がる。高校のチームメート9人のうち、大学で野球を続けたのは石川と、もう一人だけだった。ちなみにもう一人のチームメートは現在、中学校の教師を務めている。

「本当に不思議な縁。野球とは不思議な縁で結ばれています。いろいろな分岐点はあって、いつ野球を辞めていてもおかしくはなかった。人生は不思議です」

 ぼんやりとしか持っていなかった野球観が変わったのは大学に入ってからだ。監督やコーチからピッチングの色々なメカニックを教えてもらった。目から鱗が落ちたような心境だった。同じスポーツをやっているのに、まるで新しいスポーツにチャンレジしているかのような気持ちで日々を過ごした。

 大学ではキャッチャー出身のOBコーチの下、投球における下半身の使い方を徹底的に研究した。ノビ、キレ、球速。今の石川の基礎はこうして作られた。そして、社会人野球の名門・東京ガスから声がかかる。高校時代までの自分とは違い、社会人時代は明確な目標を持って過ごした。150キロを出す。3年目の7月についにその目標に到達した。この時、プロという世界を初めて夢でなく現実に見ることが出来るようになった。

「自分はモチベーションがないと駄目なタイプなので、あえて明確な目標を作りました。それが150キロだった。目標を持つとそれに向かって進んでいけた」

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