オリ田口壮2軍監督が持論「チャンスは3年で9回」 這い上がる選手の傾向とは

「1軍にずっと残る選手は目つきがギラギラしているんですよ」

 1年の監督経験を経て、チャンスを掴む選手にはある傾向があることに気付いたという。それは「気持ちの強さ」だ。

「傾向として、気持ちの強い選手は(1軍に)残りますね。上がって、ずっと1軍に残る選手は目つきがギラギラしているんですよ。1軍から落ちてきて、再び上がっていく選手もギラギラしています。やられましたけど、もう1回行きますよっていう雰囲気がある。『課題は見つかりました!』みたいな。上がれない選手、上がっても定着できない選手は、目がやられていますよね。ちょっとホッとしたような目になっている。しばらくは放っておきますけど。

 1軍の戦術で使える技術をどのくらい習得させるかっていうことは大事です。でも、それ以上に、いかに選手のやる気を出させるか、気持ちよく迷わずやらせるか、どこでムチを入れるか、そういう方が大事かもしれませんね」

 チーム再建はゴールの見えない壮大なプロジェクトだが「やり甲斐はあると思います」と、きっぱりとした声で言い切った。

「どのくらい時間が掛かるか。こればっかりはやってみないと分からないですね。強いチームにしたいっていうのが、みんなの思っているところ。パ・リーグ連覇をした95、96年は、阪神淡路大震災のあった年ですから、ある意味特別な年だったと思うんですよね。震災からの復興を目指すファンの皆さんの声援や力に後押しされた。本当にファンの皆さんに助けられたシーズンだった。

 おそらく次に勝つ時は、純粋に野球だけで勝たないといけない。そう考えた時、やはり別の形でファンの皆さんを巻き込んでいかないといけないと思うんです。それを踏まえて、あの頃とは違うチーム作り、ファンの皆さんに応援してもらえるようなチーム作り、チームを取り巻く環境を作っていかないと。今のオリックスなりのやり方を探していきたいですね」

「選手はチームの財産」と語る田口氏を中心に、オリックスがどんな形で長く勝てるチームを作り上げていくのか。その取り組みから目が離せなさそうだ。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

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