今も忘れない“神様”の教え DeNA井納が満足の90球「今日一番のフォーク」
若き先発陣の大黒柱へ―3年前、“フォークの神様”から学んだこと
DeNA・井納翔一投手が6日、沖縄・宜野湾キャンプでブルペン投球を行い、力強く90球を投げ込んだ。
この日は直球主体。「今日から少しずつ入れているけど、割合でいったら(直球対変化球は)7対3とか8対2」と話し、「真っ直ぐに近いフォームで(変化球を)投げられているかを意識した」と、自身が掲げていたチェックポイントを説明した。途中、左右の打席に打者に見立てたスタッフを立たせて投げ、「しっかりコースに投げられているか」を確かめた。
練習中に自分でも思わず驚きの声を上げたのが、フォークの変化だ。キャッチャーのミット手前で縦に大きく落ちる変化で「今日の中で一番(の手応え)はフォークですね」と満足げにうなずく。3年前に“フォークボールの神様”杉下茂氏がキャンプを訪問した際に受けたアドバイスが生きている。
「カーブを投げて手首を柔らかく使うコツを覚えれば真っ直ぐがよくなる。ストレートがよければフォークは自然と落ちる、と教わりました」。キャンプ序盤で大きな手応えを掴んだフォーク。今季は要所での決め球として使うチャンスが増えそうだ。
昨季は負傷した山口俊(現巨人)の代役で自身初の開幕投手を務めたが、今季は大役を3年目の石田に譲った。それでも、2年目の今永をはじめとした若い先発陣において、完投能力もある30歳の右腕は大黒柱として球団の期待は大きい。
次回は8日にブルペンで投球練習を行う予定。「100球は超えて多く投げるようにしたいです」と意気込んだ。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato