「3年くらい、ずっと思っている」―元女房役も待つ早大ドラ1トリオの復活

時間を取られた会食、取材…「もう少し、集中できる環境があれば…」

「球の質が変わりましたね。言葉で言うのは難しいですが、高校の時は元気な球でした。大学の方が重みのある球を投げていましたね。安定感は大学の方がありました」

 斎藤は高3の大ブレイクでスカウトの注目を集めながらプロ志望届は出さず、進学を決断。早大に進んでボールの質は変わったが、甲子園の優勝で一躍人気者になった後も、斎藤自身に変化はなかったという。

「性格的に変わったということはないですね。大学は高校より練習の質を重視していたので、高校の時より時間はあったと思います。ただ、斎藤は忙しかった。監督、記者とごはんを食べに行ったり、取材も多かったです。そういうところに時間を取られていた部分はあったと思います。『もう少し、集中できる環境があればよかったのかな』と思いますが、そこは斎藤なので、仕方なかったのかもしれません」

 早大では、斎藤以外にも福井、大石の球も受けていた。当時のことを「贅沢すぎましたね」と笑いながら振り返る。

「3人ともスピードも違うし、球の質も違うんです。斎藤は球が早く、安定感もある。イメージして試合を作れるピッチャーだったので、信頼できました。任せておけば、2、3点以上取られることはありませんでした。

 福井は球にキレがありました。調子が悪いと打たれたり、フォアボールが多くなるのですが、調子がいい時は『ノーヒットノーランをするんじゃないか』というくらいの勢いがありました。特に4年の後半は安定感があり、失点も多くても2、3点に抑えてくれていましたね。7回まで勝っていれば、大石がいますから勝ちゲームです。3人がいるから、試合は本当に楽でした」

 2010年のドラフト会議で、大石が6球団、斎藤が4球団から1位指名、福井も広島から1位指名を受け、プロの世界へ進んだ。

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