不本意を本意に変える―ロッテ井口、代打の切り札として学ぶ“新しい野球”
ベンチから見る“もう1つの野球”「本当にいい勉強になる」
「基本的に代打はいいピッチャーとしか当たらない。彼らをどう打ち崩すか。決め球のレベルが高いから、追い込まれる前に何とかしないといけないんですよ。さらに、代打が出るのは走者が二、三塁にいる場面。そこで相手がどういう配球をしてくるか。今までにはなかった配球の読みをするようになりましたね。
最初から相手の決め球だけを狙うこともある。今まで以上に積極的になりましたね。攻めないと。チャンスは3球。打席では常にそう考えています」
代打はいつ出番が回ってくるか分からない。だからこそ、先発以上に準備が必要なポジションでもある。
「うちの場合、チャンスだったら試合中盤でも代打の可能性がある。だから、僕の場合は試合の流れに合わせて動くようにしています。試合が始まったら、守備の時は必ずベンチに出てきて戦況を見る。攻守交代したら、ベンチ裏で代打準備に入る。先発していた時とリズムを変えない工夫をしています」
ベンチで過ごす時間が増えた現実は、正直に言えば「辛い」。だが、今与えられた状況を生かすも殺すも自分次第。「いずれはそういう形(監督)でユニフォームを着たい気持ちはある」というベテラン野手は、ベンチで過ごす時間を「いい勉強」の時間と捉えている。