ベネズエラ代表選手がWBC開催時期に疑問「全力で戦う準備は誰もできない」
WBC開催年は2月1日にキャンプインを提言するも…
選手の状態が万全ではない中、国の威信を懸けて戦う状況に対して、マルティネスは「不公平」と物申している。各国リーグの開催を一時中断し、ワールドカップや五輪開催に協力するFIFAやNHLの体制について「大きな意味がある」と支持。シーズン中の開催ならば「制限なく、選手はすべてを出し尽くせる」と話し、3月開催のように選手の健康を懸念する球団に出場を控えさせられたり、開幕ロースターを狙う若手選手がWBC出場を断念したりすることも減る、としたそうだ。
また、シーズン開幕前の開催に伴う怪我のリスクについても提言。身体が十分に出来上がる前だが、大会が始まれば選手の闘争本能に火が着き、アドレナリンが噴出する。06年に参加したWBCでは、ベネズエラ代表で、当時カブスに所属していた投手、カルロス・ザンブラノが投球練習で155キロを超える速球を投げていたのを目撃したそうで「あんなに早い時期には仕上がらない」と話したそうだ。その上で4年に1度訪れるWBC開催年にはメジャーのキャンプインを2月1日にするべきと提案しているが、タイガースのオースマス監督は「WBCに出場しない選手にオフを短縮するよう求めることになる」と、実現は困難だろうという見方を示している。
日本、韓国などアジアからの参加国でも、WBCに対する情熱や優勝に賭ける意味の大きさは、中南米諸国に負けないものがある。マルティネスの提言のように、WBCをよりよい大会にするための意見が各方面から寄せられれば、MLB機構もFIFAやNHLのような協力体制を敷く動きを見せるのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count