侍J稲葉コーチが中田に檄「翔が打たないと打線が線ではつながらない」
中田の居残り特打に付きっきり助言「いい感じで振れてきた」
3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて「KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎」で強化合宿を行っていた野球日本代表「侍ジャパン」が26日、4日間の合宿を打ち上げた。合宿最終日のこの日、前日行われたソフトバンクとの強化試合で無安打に終わった中田翔内野手(日本ハム)は、平田、坂本、菊池とともに志願の居残り特打をした。
25日のソフトバンク戦に「5番・一塁」で先発した中田は、4番の筒香が3打席全出塁しながら、3打数無安打で走者を動かすことができなかった。日本ハムのキャンプを含めると、今春の実戦は13打数無安打。そのバットからは、いまだ快音が聞こえない。前日の試合終了後、小久保裕紀監督は「(WBCまでの)あと10日で(状態を)上げるでしょう。彼が打たないと話にならない」とハッパを掛けていた。
日本ハムの先輩であり、中田にとって頼れる兄貴分でもある稲葉篤紀打撃コーチは、居残り特打をする中田に徹底的に付き合った。「どうしてもボールを打ちに行き過ぎてて、打つ時に(体が動くよりも)先に手が出ていっている状態。見逃す時も、基本的には(バットを持つ)手は顔の後ろにあった方がいい。ドシッとして、見逃す時もいい形で見逃そう」とアドバイス。「速い球を打っていると(手が)前にいってしまう」という理由から、特打ではロングティーで打撃練習を行い、「自分のタイミングで遠くへ飛ばす」意識を持たせたという。
前日の小久保監督のコメントを受け、稲葉コーチも「僕も翔が打たないと(と思う)。筒香選手の後を打つであろう翔が打たないと、打線が線ではつながらない。プレミア(12)でもそうでしたけど、中田翔が打つと点になるし、打ってもらわなきゃ、という思いです」と、かわいい後輩に期待を込めて檄を飛ばした。
兄貴分の思いが伝わったのか、中田は特打で柵越えするなど、少しずつ状態アップの兆候を見せている。稲葉コーチは「いい感じで振れてきましたんで、しっかりと3月7日(キューバ戦)に合わせてきてくれるんじゃないかと思います」と話した。
WBC本番では、4番の筒香が四球で歩かされるケースも予想されるため、5番打者以降の働きが侍打線のカギとなる。残り4試合の実戦で、中田がどこまで状態を上げられるのか注目だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count