侍J野手陣がダッシュで合宿締め 「キレを出す」ために稲葉コーチが発案
野手全員のダッシュ練習で「だんだん1つになればいいかな、と」
3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、23日から「KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎」で強化合宿を行っていた野球日本代表「侍ジャパン」は、26日に合宿を打ち上げた。
この日の野手はフリー打撃を終えた後、全員でダッシュ練習を行った。「打撃練習を見ていても、なんとなくみんな少しずつキレが落ちてきている感じがした」という稲葉篤紀打撃コーチの発案で、右翼線付近で20メートル走を10本、10メートル走を10本。選手たちはキツさに顔をゆがめながらも、体のキレを取り戻すためにムチを入れた。
WBC出場経験を持つ稲葉コーチは、自らが代表選手だった時は「個人的に(ダッシュを)やっていた」と振り返る。通常、この時期は各球団のキャンプでダッシュ系の練習が行われている。だが、今回の侍ジャパン強化合宿では練習メニューに含まれていなかった。「彼ら(選手)はWBCの後に長いシーズンが待っている。いろいろ考えながら、本当は自分で気付いてほしかった」と言うコーチは、合宿最終日にダッシュ練習を取り入れることを小久保監督に打診。監督からのゴーサインもあり、野手全員に“ダッシュ指令”を出した。
この練習には、もう1つ目的があった。個別にダッシュ練習をさせるのではなく、全員一緒に行うことで“まとまり”を意識。「1人でやらせるより全員で同じことをやるのが大事。まだ集合して何日かしか立たない中、みんなでやることで、1つにまとまればいいかなという狙いがありました」と、チームとしての輪の形成を狙った。
ダッシュ練習で合宿を締めた野手陣は、28日から始まる壮行試合でキレのある打撃を披露してくれるのか期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count