V戦士・岩村明憲氏が見る侍J躍進の鍵 気になる「本番想定」のタイミング
岩村氏が中田に伝えていたこととは…
「筒香は3回の見逃し三振が悔しいんじゃないかな。1死一、二塁でカウントは1ボール2ストライク。あそこで内角の真っ直ぐは考えていなかったんだと思う。日本じゃ、あまり見られない攻め方だから。でも、本番のためには想定しておいた方がいいね。
予言とは言わないけど、2試合連続で左翼へタイムリーを打っていることを、対戦国のスコアラーはしっかりチームに報告する。そうなると、内角攻めは避けられないと思うよ。あとは筒香の後ろを誰が打つのか。(中田)翔のままでいくのか、内川(聖一)なのか。これも大きく関係してくる」
侍ジャパン合流以来、なかなか打撃での結果が現れずにいるのが、5番を打つ中田だ。2月28日にようやく初安打が生まれ、3月1日にはセンターへの犠牲フライで1打点を挙げた。小久保裕紀監督は「基本的にはクリーンナップは変えない」と話すと同時に「彼(中田)が打たないと筒香が生きない」とハッパを掛けている。
実は1日の試合前、打撃練習を終えた中田は、球場を訪れていた岩村氏とベンチでしばらく話し込んでいた。岩村氏はこの時「もう少し間を取れるようになるといいんじゃないか」と声を掛けたという。
「調整の段階だと分かっていても、結果が出なくてイラつくこともある。だがら、気心知れた奴が一言声を掛けるだけでも違うだろうと思って話をしたんだよ。自分の経験も踏まえて言えば、本番になれば否応なしにスイッチは入る。プロだから。俺はそんなに心配はしてないけれど、中田翔は日本の打線とって大事な存在。彼が生きれば、打線全体が生きてくるからね」
この日、CPBL選抜打線をしっかり抑えた菅野智之、石川歩の両投手については「敢えて褒めないよ」と言う。その理由とは……。