V戦士・岩村明憲氏が見る侍J、対好投手の課題「せめてファウルで粘って」
球数制限を有効活用、ファウルで粘っていい投手を引きずり下ろす…
投手陣の収穫は、3回から登場し、2イニングをパーフェクトで好救援した牧田だ。
「牧田はいい働きをしたね。阪神に傾いた試合の流れを断ち切り、リズムを作ってくれたから、次の投手にも打線にもつながった。あの場面は、第2先発を投入するのか、中継ぎを投入するのか、悩みどころだったと思う。今回の牧田投入はハマったね。前回のWBCにも出場している彼の経験、そして力量があるから為せる業。短期決戦には流れを断ち切れる、変えられる選手の存在は必要だね」
この日見えた一番の課題は、1回から6回までの打線だという。阪神の先発を務めたメッセンジャー、2番手の岩貞祐太の前に、侍ジャパン打線は4安打無失点に抑えられ、三塁を踏ませてもらえなかった。メッセンジャーは3回を投げて35球、岩貞は同じく3回を48球で終える好投を披露。相手投手が好調な時、侍打線は何か一工夫する必要があるのではないか、と話す。
「課題は、手も足も出なかったメッセンジャーと岩貞の対処の仕方だろうね。手も足も出ないんだったら、せめてファウルで粘って球数を投げさせることはしたかった。WBC本番は投手の球数制限がある。これを利用しない手はないでしょ。ファウルで粘って球数を稼げば、いい投手を早くマウンドから引きずり下ろすことができる。ヒットが打てないなら、それも1つの手だよね」
7日キューバ戦の前に残された実戦は、5日オリックス戦の1戦のみ。4日には正捕手候補だった嶋基宏捕手(楽天)が痛めていた下半身の状態が回復せずに出場辞退を発表。代わりに炭谷銀仁朗捕手(西武)が招集されることになった。岩村氏は「大丈夫。本番になれば、みんな必ずスイッチが入る」と期待を込めたエールを送る。泣いても笑ってもWBC初戦まで、あと3日。侍ジャパンの仕上がりに期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count