韓国&オランダ&キューバ&台湾も…WBCに参戦する新旧NPB助っ人は?

選手以外に日本と縁のある人物も

 2013年にキューバ政府が自国選手のプロ契約を認めて以降、「最後の大物」と見られていたデスパイネは日本球界でのプレーを選択。2014年に千葉ロッテと交わした契約は7月だったが、わずか45試合で12本塁打と期待に違わぬパワーを見せると、昨季はリーグ6位の24本塁打をマークした。今季は移籍先の福岡ソフトバンクで、勝利への使者として打線に厚みを加える。

 プールA、Bでは上記3人の「個の力」に期待したい。韓国代表はメジャーリーガーの招集がうまくできず、現役からはセントルイス・カーディナルスの呉昇桓だけ。オランダ代表は黄金の内野陣と直近3年で127セーブを挙げたドジャースのケンリー・ジャンセン投手を擁するが、肝心の先発が不安要素となっている。メジャーでプレーする亡命選手を招集しなかったキューバ代表も、ベストメンバーには程遠い。ただし、国際試合における韓国代表の勝ちへの執念、キューバ代表の勝負強さ、そしてオランダ代表のタレント力は侮ることができない。

 韓日米の野球を知る李は2008年北京五輪、2009年、2013年WBC、2015年プレミア12に出場と経験が豊富だ。バンデンハークは母国以外の3か国を渡り歩いてプレーしている。セスペデスは長年キューバ代表の主軸を張り続けてきた。日本のプロ野球でも実績を残した、その実力には疑いの余地がない。彼らは、ダークホース的位置付けのそれぞれのチームをどこまで引き上げることができるだろうか。

 また、余談だが、プールAには選手以外にも日本と縁のある人物が顔を見せている。韓国代表の宣銅烈コーチ、チャイニーズ・タイペイの郭泰源監督、オランダ代表のアンドリュー・ジョーンズコーチはいずれも日本で活躍した元選手だ。“オリエンタル・エクスプレス”の異名をとった郭監督は、最速158キロの快速球を武器に1980、90年代の西武黄金期を演出した。メジャーリーグでスーパースターだったジョーンズコーチは、持ち前の長打力で来日1年目の2013年に楽天初となる日本一に貢献している。こうした面々を見ながら、それぞれが活躍した時代を懐かしむのもプールAの楽しみのひとつになりそうだ。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」藤原彬●文

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