懐かしの名前も…10日開幕C、D組に新旧助っ人ズラリ 注目のNPB選手は?

「何が起こるか分からない」のが短期決戦で高い勝率誇る強国

 モルケンは日本のプロ野球界では目立った活躍ができなかったが、カナダ代表としての経験が豊富だ。2013年のWBCでは2試合で4回を投げて無失点に抑え、2015年のプレミア12では救援投手のベストナインに選出された。ちなみに、昨年はデトロイト・タイガースで4試合投げて防御率4.32、3Aで60.1イニングを投げて防御率3.58の成績を残している。

 昨季39本塁打を放って自身初のタイトルを獲得したレアードは、日本シリーズでも3ホーマーを放つ活躍でMVPを獲得。ホームランを打った際の寿司パフォーマンスはもはやお馴染みで、プレー以外でもファンから愛されている好漢だ。リーグの三塁手で2年連続の最多失策はご愛敬。今度は母親の出身国であるメキシコ代表を、バットと明るい性格で牽引できるだろうか。

 またクルーズはメジャー仕込みの内野守備で、ファンの目をくぎ付けにしてきた。適切なポジショニング、見事なグラブさばき、恐ろしく球離れの速いスローイング。そのどれもが日本人の常識とはかけ離れたもので、世界大会の舞台でも「教科書以上」のプレーを期待したくなる。二塁だけではなく内野であればどこでもOKの利便性に加え、2006年、2013年WBCに出場した経験も武器だ。

 鷹のセットアッパーを務めるスアレスは既にフルスロットルだ。今年初の実戦となった2月17日の紅白戦では、いきなり155キロをマークして周囲を驚かせた。とはいえ、昨年のクライマックスシリーズでは161キロを叩き出したのだから、本番で球速はまだ上がってくるのかもしれない。高校卒業後は草野球でプレーしていた男が、自慢の速球で世界の強打者が相手の腕試しに挑む。

 先に挙げた優勝候補4か国の過去3大会における1次ラウンドでの戦績は、アメリカ6勝2敗(勝率.750)、ドミニカ共和国7勝2敗(勝率.778)、プエルトリコ8勝1敗(勝率.889)、ベネズエラ6勝4敗(勝率.600)となっている。「何が起こるか分からない」のが短期決戦での掟だが、列強国はそれぞれの潰し合いがあるにもかかわらず高い勝率を収めている。波乱と呼べるのは2009年のドミニカ共和国敗退ぐらいで、机上の戦力を見比べた時に劣るチームが割って入るのは容易ではない。厳しいグループの中で、日本のプロ野球に縁がある戦士たちはどのような存在感を放てるだろうか。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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「パ・リーグ インサイト」藤原彬●文

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