活躍続ける小林に侍の「正捕手」の自覚 「自分が引っ張っていく気持ち」

小久保監督は初めから「正捕手」として招集? 「11月に捕手としての振る舞いを見て」

 明らかに硬くなっている岡田を見て、小林はマウンドに歩み寄り、声をかけた。中日の左腕は続く3球目でニゴロ併殺打に仕留め、大ピンチを脱出。試合後、指揮官は「今日の小林のあのタイミングでのピッチャーへの声かけは絶妙だった」と言及。勝利への鍵になったと話していた。

 この日の中国戦の後、小久保監督は小林を初めから「正捕手候補」として招集していたことを明かした。「肩の強さは誰もが認めるところ。11月の強化試合から、捕手としての振る舞いを見て『正捕手で』ということになった。一番大きいのは捕手・小林が落ち着いてリードを出来るようになったこと」。この期待にしっかり応えるどころか、ここまでは“出来過ぎ”とも言える内容。「ホームランは想定外でしたけどね」と指揮官が話すと、会見に同席していた4番の筒香嘉智外野手(DeNA)も思わず笑みを浮かべた。

 もっとも、本人は謙虚さを失っていない。本塁打について「切り替えて、また次、自分の役割をしっかり果たしたいなと思います」と苦笑い。過去に侍ジャパンで正捕手を務めた城島健司や阿部慎之助の名前を出されると、「いや、僕はそんなに打てないので。バントとか小技をしっかりやっていかないといけないな、と思ってます」とした。さらに、「ノッているとの声もありますが?」と聞かれると「いや、全然ノってないと思うんで…。チームの雰囲気がすごくいいんで、自分もしっかり任された役割を果たしていきたいなと思います」と言及。そして、日の丸を背負うことについては、以下のように表現した。

「すごい不安もありますし、色々プレッシャーもありますけど、試合に出ている以上はしっかり責任をもって、自分が引っ張っていくという気持ちでやってきたいなと思っています」

 謙虚さを失わない中でも、その言葉からは侍ジャパンの「正捕手」としての自覚がにじみ始めた。2大会ぶりの世界一へ、小林がカギを握る存在となりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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