“悪夢の初登板”から1年― DeNA今永を本拠開幕投手に指名、指揮官の親心
落球のち被弾、1年前と同じ巨人戦で本拠開幕投手…石田と未来のエースへ
DeNAの今永昇太投手が4月4日の巨人との本拠地開幕戦(横浜)に先発する。ラミレス監督が発表したもので、2年目左腕は昨年に続き、2年連続で本拠地での“開幕投手”の大役を務めることになる。
ルーキーイヤーの昨年も巨人との対戦で、今永は初回先頭の長野から三振奪うなど、上々の立ち上がりを見せた。だが、2回1死からクルーズの捕邪飛と思われた打球を戸柱が捕球できず(記録は失策)、直後の1球で痛恨の先制弾を浴びた。結局、3被弾するなど7回4失点で黒星デビューとなっていた。
今永にとって“悪夢のプロ初登板”ながら、当時は「仲間がミスをしたときこそ、カバーしなくてはいけない」と悔やみ、雨のなか試合終了まで大きな声援を送ってくれた満員のファンの姿を目に焼き付けた。その後は好投を続けるが打線の援護にも恵まれず、4月終了時に防御率2.45ながら、5試合で0勝4敗という「悲運のルーキー」に。しかし、打線の低迷期を脱すると、5月は無傷の4連勝、球団の新人左腕としては初の5連勝を飾るなど、一気に頭角を表した。
最終的にはシーズンを8勝9敗で終えたが、高田GMが「春先は打線が打たなかっただけで、あと3、4勝はできていた」と振り返るほど。ラミレス監督も開幕投手に指名した石田に続く、未来のエースとして今永の名前を挙げている。若き左腕の“ダブル開幕投手”には指揮官の期待が見て取れる。1年前の苦い記憶を乗り越えてほしいという親心もあるだろう。
今永本人も「2桁は勝ちたいと思うし、イニング数にはこだわりたい。規定投球回を投げて、チームで一番投げるように」と先発ローテの軸であることを自覚。今永が本拠地開幕戦で巨人を圧倒することができれば、ファンに成長した姿を見せる最高のアピールとなる。そして、チームが勢いにのれることは間違いない。
開幕ダッシュの大きなターニングポイントとなる可能性は十分だ。
【了】フルカウント編集部●文 text by Full-Count