侍・菅野、「人生かける」エースの81球「凄い最高の経験になった」
運命の登板託した指揮官に感謝「指名してくれた小久保監督に恩返ししたかった」
小久保監督に感謝の思いがあった。大会前から「エースは菅野」と明言。小久保ジャパンでは15年のプレミア12で招集され、昨年11月の強化試合には登板しないにもかかわらず招集し、絶大な信頼を寄せられていた。「プレミア12の時は期待に応えられなくて、僕自身も悔しい思いをした。今は感謝してもしきれない」と頭を下げた。
千賀も候補にいながら、大事なマウンドを託された。「わからないけど、今日(の先発)も迷ったと思う。そんな中で自分を指名してくれた小久保監督に恩返しがしたかった」と勝利をプレゼントできなかったことを悔やんだ。
だから、まだ満足感はない。「裏を返せば、たった1試合、いいピッチングをしただけ。例えば、米国でシーズン中に何回も0点に抑える、これだけの投球ができるかはまだわからない」。その後で「ただ、一つ言えるのは……」と言葉を続け、「自分の野球に関する全ての中で凄い最高の経験になったと思う」と明かした。
今大会で見えたことを問われると「まだ、負けた実感がわかない。日本に帰って自分自身を見つめ直して考えたい」と話した菅野。しかし、ロサンゼルスの地で、エースの意地を込めた81球は、誇っていいものだった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count