米国が4大会目で悲願初V 本気スター軍団で決勝は圧勝、野球母国の面目躍如
準決勝で侍J破った米国が決勝でプエルトリコ圧倒、ストローマン快投&打線爆発でついに世界一
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝が22日(日本時間23日)にドジャースタジアムで行われ、米国が8-0でプエルトリコに快勝。準決勝で侍ジャパンを破って初の決勝進出を果たした野球の母国が、悲願の世界一に輝いた。先発のマーカス・ストローマン投手(ブルージェイズ)が6回まで無安打に抑えるなど、7回途中1安打無失点の快投。打線はイアン・キンズラー(タイガース)の先制2ランなどで効果的に得点を重ねた。“世界最強捕手”のヤディアー・モリーナ(カージナルス)を中心に7戦全勝で決勝まで勝ち上がったプエルトリコは、ドミニカ共和国に敗れた前回大会に続いてわずかに及ばず、2大会連続の準優勝に終わった。
試合は序盤から投手戦に。試合が動いたのは3回だ。米国の9番ルクロイがプエルトリコの先発ルーゴからセンター前ヒットで出塁。続くキンズラーは91マイル(約147キロ)の速球をセンターに運んだ。中堅のヘルナンデスが必死に飛びつくも、及ばず。フェンスを越えて先制2ランとなった。
さらに、5回にはキンズラーがレフト前ヒットで出塁。無死一、二塁としてからイエリチはライト前タイムリーを放ち、3点目を奪った。その後、2死一、三塁でマカチェンが遊撃内野安打を放ち4点目。7回には2死から不調のアレナドがセンター前ヒットで出塁し、ホスマーが死球、マカチェンは四球で満塁と絶好機を作る。クロフォードはセンター前ヒットで2者が生還。さらに、8番スタントンもレフト前へのタイムリーを放ち、終盤で7-0と大きくリードを広げた。
一方、米国の先発ストローマンはツーシームを主体とした投球でノーヒットピッチングを続ける。2回にベルトランに四球を与えるも、続くモリーナは遊ゴロ併殺打に仕留めるなど、6回まで打者18人で片付けた。7回先頭のパガンに初ヒットとなる左翼線への二塁打を浴び、ここで降板。しかし、ドジャースタジアムのファンはスタンディングオベーションで快投を称えた。
ストローマンはプエルトリコ出身の母を持ち、今大会はプエルトリコ代表としての出場も可能だった。米国代表として戦うことを選択し、プエルトリコのファンから自身や母親に対する中傷もある中、その2チームが決勝で激突するという“運命の一戦”で快投。心ない声にツイッターなどで怒りの声を上げることもあった右腕が、大仕事をやり遂げた。
2番手ダイソンは後続を断って無失点。米国は8回にもプエルトリコのエラーで1点を追加すると、鉄壁の救援陣が8、9回も無失点に抑えて8-0で快勝。メジャーのスター選手を揃えた野球の母国が、4度目のWBCで悲願の初優勝を果たした。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count