7回無安打零封快投も…ソフトB松坂、摂津と共に開幕ローテ落ち決定
工藤監督は「新しい投球スタイルが出来た」と高評価も…
試合中にプレートの一塁側に置いていた軸足を少し真ん中寄りに変えた。これまでの経験値に裏付けされた修正力により、一段と投球内容は安定した。
4回以降は1人の走者も許さない完全投球。5回2死からペーニャを外角いっぱい、ボールからストライクに入ってくるカットボールで見逃し三振。6回は先頭の相沢をインハイへの139キロで、続く岡田は内角低めへのスライダーで空振り三振。最後は安倍を外角低めいっぱいへのカットボールで見逃し三振。圧巻の4者連続三振を奪い取った。
「6回を終わったときに『どうする?』と聞かれて、シーズンの継投のこととかもあるから任せますと答えた。(投手コーチの)佐藤さんが『もう1回行け』と」と上がった7回のマウンドも、味方の好守にも助けられて三者凡退。102球を投げ、被安打ゼロ。2四球、6個の三振を奪う快投だった。
この快投には、工藤公康監督は「本人もいい感触だったんじゃないかな。躍動感も出てきたし、テンポも良かった。あそこまでの投球が出来たのは、本人の自信にもなったんじゃないかな。これからの期待をさせてもらった。新しい投球スタイルが出来たんじゃないかなと思います」と、手放しで高評価を与えた。
オープン戦最後の登板で、これ以上ない結果を残したが、非情にも、この日の試合後に開幕ローテから外れることが決まった。倉野信次投手統括コーチが「松坂と、摂津は開幕ローテからは外れたと伝えました。ただ開幕ローテの6人に何かあったらすぐに投げられるように準備してほしい」と明らかにした。「今日の投球は1軍で十分戦力として抑えられる投球だった」と同コーチ。今後はファームで調整し、1軍登板のチャンスを待つことになった。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani