最大4連戦が浮上 センバツ過密日程の是非 米国は今年から球数制限導入

過去には松坂、斎藤が熱投で一躍スターに…安楽は1大会772球が日米で議論

 日本の高校野球の歴史をひも解けば、熱投するエースの悲哀がファンの心を打ち、スターを作り出してきたことは否定できない。

 98年夏は横浜・松坂大輔(現・ソフトバンク)が準々決勝・PL学園戦で延長17回250球完投の末に春夏連覇を達成。06年夏は早実・斎藤佑樹(現・日本ハム)が田中将大(現・ヤンキース)擁する駒大苫小牧との決勝で延長15回引き分け再試合を制して優勝。ともに一躍、国民的な英雄となったことは記憶に新しい。

 しかし、今大会と同じセンバツでは13年に準優勝した済美の2年生エース・安楽智大(現・楽天)は5試合772球を投げ抜き、以降、故障に苦しんだ。大会当時は海を渡った米国でも「正気の沙汰ではない球数」などと報じられ、日米で大きな議論となったこともある。前述のハップのように、登板過多が故障のリスクとなるという考えは根強い。

 日本高野連は14年夏に選手の健康管理に関するアンケートを全加盟校を対象に実施。翌年、全国大会に直結しない春の地区大会からタイブレークを導入し、選手の負担軽減に向けた動きが出始めていた。今大会の2試合連続引き分け再試合を受け、今後タイブレーク導入の議論が加速するとの報道も出ている。

 タイブレークのほか、試合途中でいったん打ち切るサスペンデット方式など、アイデアは様々あるが、議論はどう進むのか――。ファンの注目も集まっている。

 福岡大大濠―滋賀学園、健大高崎―福井工大福井は28日に甲子園で行われる。史上初の2試合連続引き分け再試合。熱戦を期待しつつも、まずは両校の投手、野手が怪我なく、戦い抜いてくれることを願いたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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