重くのしかかった直接対決の“借金” 王座奪還へ、ソフトBのキーマンは?

新助っ人もキーマンの一人に

 その現有戦力として、福岡ソフトバンクが王座奪還を果たすための鍵を握るのは、やはり、打線の軸となる柳田だろう。2015年にはトリプルスリーを達成してチームの日本一に貢献。不振に陥ったと言われる昨季でさえタイトルを獲得し、打率は.306を記録。一流の成績を残したことは間違いないが、厳しいマークや度重なる怪我に悩まされ、本来のポテンシャルを発揮できたとは言い難いシーズンだったことも否定はできない。

 走・攻・守の三拍子が揃った柳田は、4番打者のようなホームランバッターとは異なる方向から打線を支えなければならない。28歳という年齢や、プロ7年目というキャリアからも、多くの役割が求められるだろう。そんな中でも、昨季を上回る成績を残すことができれば、リーグ屈指の安定感を備える福岡ソフトバンク打線が、より盤石なものになる。

 そして「キーマン」の2人目は、新外国人選手のデスパイネである。昨季は千葉ロッテで134試合出場、496打数139安打24本塁打92打点、打率.280の成績を残し、大砲不在のチームの勝利に幾度となく貢献した。チームへの献身的な姿勢も折り紙付きであり、福岡ソフトバンクが望む主軸の役割をデスパイネが果たせば、打線は昨季にも増して破壊力のあるものになるはずだ。

 オフに福岡ソフトバンクが補強したのは、ドラフトで獲得したルーキーを除けば、前ダイヤモンドバックスのジェンセンと、デスパイネのみ。残念ながら、ジェンセンはオープン戦で結果を残せず、2軍で開幕を迎える。デスパイネの調子も、オープン戦の6打席では計りようがない。

 しかし、オープン戦打率.370をマークした中村晃をはじめ、2本の本塁打を放った上林や、防御率1.69をマークした東浜、12球団屈指の安定感を誇る救援陣など、シーズンに向けた現有戦力の調整は順調のようだ。

 巨大戦力を有しながらも、わずかな綻びで頂点を逸してしまうのなら、その少しの隙さえも潰してしまうほかにない。新戦力と現有戦力をうまく噛み合わせながら、圧倒的かつ緻密な野球を展開し、福岡ソフトバンクがもう一度、パ・リーグ制覇に向けて突き進む。

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