広島安部、5時間24分の乱戦に“決着打” 三塁走者・上本に感謝「ナイス走塁」
延長10回にサヨナラ内野安打「追い込まれて、開き直っていけた」
広島の安部友裕が1日の阪神戦でサヨナラ内野安打を放ち、チームに今季初勝利をもたらした。5時間24分に及んだロングゲームに決着をつける一打に、安部は「なんとか当たれ、という感じで打った。上本がナイス走塁をしてくれた」と、興奮を隠しきれない様子だった。
初回の4点ビハインドから徐々に追い上げ、点の取り合いとなったゲーム展開で、8回にようやく同点に追いついた。この試合で、広島が初めて相手の得点を上回ったのが、延長10回のサヨナラ打だった。
1死二、三塁と絶好の場面で打席に入った安部は、1、2球目を続けて低めのフォークを空振りした。「打ちたい、打ちたいという気持ちばかりだった」と気持ちが先行したが「追い込まれたことで吹っ切れた。開き直っていけた」とカウント2-2から高めに浮いたフォークを一二塁間に打ち返し、三塁走者の上本が生還。サヨナラとなった。
打った瞬間に「上本の足なら還ってくれるという気持ちだった」という安部は、二塁ベースの手前でチームメイトの手荒い祝福を受けた。「最後のチャンスもエラー絡みだったが、こちらがプレッシャーをかけた結果だと思う」と分析した安部は「今日はみんなで勝ち取った勝利」とチーム一丸の勝利を強調し、「明日が大事。またみんなで頑張ります」と、気持ちを切り替えていた。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo