黒田氏の穴埋める? 広島九里が1勝、糸井に死球も「攻める気持ち」失わず
6回1失点の好投に「役割果たせた」、緒方監督も「成長につながる」と評価
広島の九里亜蓮が2日の阪神に先発し、6回1失点の好投で勝利投手となった。開幕2試合でジョンソン、岡田が5回を投げきれなかった状態の中、九里は「しっかり先発としての役割を果たせた」と満足そうだった。
「ゲームを作ることを意識してマウンドに上がった」という九里だったが、初回は先頭打者にヒットを許し、次打者を併殺打に打ち取った後、3、4番は連続四球と不安定な立ち上がりだった。それでも「四球を出してしまったが、しっかり勝負にいっての結果だったので、投げ切ることができた」と言い切り、好調の糸井に与えた死球についても「死球は申し訳ないと思ったが、それで逃げの投球になっても仕方ないので、攻める気持ちで投げ続けた」と自信を見せた。
5回には1死満塁のピンチを迎えたが、原口を内角のツーシームで併殺打に打ち取った。
「長打さえなければと割り切って投げられた。キャッチャーのサインはアウトコースだったが、首を振ってインコースを選択した。インコースに投げきれる自信はあった」
緒方監督も「右打者へのインコースへの攻め方が良くなった。こうやって結果を残せば、また成長につながる」と、期待の右腕に高評価を与えた。
プロ4年目の今季は先発ローテ定着が期待されるが、九里は「先のことばかり考えても、気負ってしまうだけ。目の前の1試合1試合に集中して、結果的に1年間ローテを守ることにつながればいい」と、冷静に話した。開幕2戦はジョンソンと岡田が打ち込まれただけに、第3戦の九里の好投は、黒田氏が抜けた先発の一角に、まず名乗りを挙げる1勝となった。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo