無念の降板も好投に拍手 DeNA2年目左腕・今永が無表情の中に見せた成長
昨季CSファイナルS第4戦の“自滅”を教訓に…
昨年のクライマックスシリーズ、ファイナルステージでの広島戦。負ければ終戦という第4戦に先発した今永は1回、先頭の田中で、見逃し三振と思われた球がボールとなり、四球による出塁を許した。この時、マウンド上の今永は球審の判定に「え!?」というような複雑な表情をみせた。その後、リズムを崩して一気に広島打線に飲み込まれ、1回6失点降板。試合後はベンチ裏で涙を流した。後日、今永は「あそこでああいう態度をとった時点で僕がいけなかった」と、動揺した姿、表情をみせた自分を強く戒めた。
話は4日の巨人に戻る。今永は昨季、シーズンを通して立ち上がりの1回を特に重要視していた。1回の失点は試合の流れを左右するからだ。巨人戦では中井の出塁を許したが、動じることなくピンチを切り抜けた。4回の岡本の場面では、微妙な判定にも無表情で気持ちを切り替え、“仕切り直し”で三振を奪った。
「いつもの自分の体ではなく、緊張感が漂った体になっていました。序盤は結果を求めるあまり、自分自身で投球を苦しめていました。試合途中で自身の投球スタイルでもある、緩急を使う投球に切り替える事ができたのは収穫です。ただ、四死球を5個与えてしまい、打線に流れを与える投球ができませんでした。急遽、降板する形となり、中継ぎ陣に負担をかけてしまい申し訳ないです」
中継ぎ陣が打ち込まれて試合には敗れたが、今永の信頼度は増したはずだ。大きな成長を感じさせた今季初登板だった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count