ロッテドラ1佐々木、先発白星は“新人一番乗り” 援護の井上も称賛「もってる」
「うれしい気持ちはあるが、今日だけ喜んでまた明日から」
4回も先頭・中田に中前打を浴び、2死からレアードを歩かせたが、市川は三ゴロでホームは踏ませない。ルーキーに初白星をプレゼントした打のヒーロー井上は「本当に本当に初勝利のゲームにしてあげたかった。(あれだけ)フォアボールを出しながら抑える。もってるのかな」と、しみじみと語った。
圧巻は5回。先頭・中島に中前打を浴びると、またも二盗を許した。しかし、西川をこの日の生命線にしたカーブで空振り三振。さらに、大谷はフルカウントから田村のサインに首を振り127キロのシンカーで2者連続三振とした。近藤を歩かせピンチが続いたものの、中田を再び内角のカーブで空振り三振。その瞬間、「静かで今まで見たことのないタイプの選手」と同じルーキーの有吉が評するほど冷静な佐々木にガッツポーズが飛び出していた。
「1点もやれない場面で、何とか守り切りたいと思っていた。うれしい気持ちはあるが、今日だけ喜んでまた明日から」。ウイニングボールは両親にプレゼントするというが、喜びの余韻に浸ってはいない。「ストレートにしろ、コントロールにしろ、やることはたくさんある。それを一つ一つクリアしていきたい」と前を見据えていた。
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細野能功●文 text by Yoshinori Hosono