広島ドラ1加藤、プロ初登板ノーノー逃すも初勝利「すごくホッとしている」

あと2死で史上2人目の偉業逃す

 広島のドラフト1位ルーキー加藤拓也投手が7日の本拠地ヤクルト戦でノーヒットノーランまであと2死というところで偉業を逃した。それでもチームを4-1の勝利に導き、プロ初登板初勝利をマーク。この日は9回1死まで無安打無失点投球。しかしバレンティンにヒットを浴びて記録が途絶えた。

 慶大出身の22歳ルーキーの熱投に本拠地のマツダスタジアムが興奮に包まれた。この日、広島打線は初回に新井のタイムリー二塁打で先制。3回には小窪の2点タイムリーが飛び出し、序盤に3点のリードを奪った。味方打線の援護を受けたルーキーはその期待に応えた。初回を3者凡退に仕留めると、その後は四球を出すものの要所を締める粘りのピッチング。2回と3回に2四球、4回にも四球を出したが、安打を許さず無失点で切り抜けた。

 5回を3者凡退に仕留めると、6回には先頭の坂口に四球を与えたものの、山田を空振り三振に。坂口にも二盗を許さず、2死とすると、さらにバレンティンの当たりに三塁・小窪が横っ飛び。何とかグラブで弾き、ショートの田中がすかさず捕球して一塁へ。送球はわずかに逸れたものの、間一髪でアウトに仕留めた。

 7回も2死まで奪うと、続く中村のヒット性の打球に小窪が好守を見せて三ゴロに。7回、8回と3者凡退に仕留めると、その裏に味方打線が1点を追加。右腕は偉業まで残すところ1イニングとなった。

 しかし迎えた9回、1死から山田に四球を与えるとバレンティンに左前打を浴びてノーヒットノーランが消滅。続く雄平にタイムリーを許して降板した。その後、中崎が締めて4-1で勝利した。

 加藤は慶大時代の昨年9月の東京六大学野球、東大戦でもリーグ史上24人目(通算25度目)のノーヒットノーランを達成。プロ初登板では中日の近藤真市が高卒ルーキー時代の1987年8月9日の巨人戦でノーヒットノーランを達成しており、史上2人目の偉業にあと一歩まで迫ったが、寸前のところで逃した。

 それでもプロ初登板で初勝利。チームを引き分けを挟んでの5連勝へと導いた。試合後、加藤は「すごくホッとしています」と第一声。「初めはすごい緊張した」と振り返り、「勝ててよかった」と充実した表情を浮かべた。

 また、ノーヒットノーランを継続する中での大声援に「会場中の応援が聞こえたので心強かった」。一方、この日は8回1/3で2安打1失点ながら7四球で「次はもっと四球を減らしてヒットはもう少し打たれてもいいと思うんですけど、しっかり投げたい」と次回登板に意欲を燃やした。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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