9回途中1失点と快投の広島・岡田に指揮官が期待「秘めた力を持っている」
今季初登板は4回7四死球6失点の大荒れも軌道修正
広島の岡田明丈投手が8日のヤクルト戦に先発し、9回途中1失点の好投で今季初勝利を挙げた。自身にとって今季2戦目の登板で得た初勝利に、岡田は「前回の登板があったので、今回はいい投球をしたかった。バックが守ってくれたおかげで長いイニングを投げられた」と、野手の援護に感謝した。
ジョンソン、野村祐輔に続く先発3番手としてスタートした今季。初登板となった開幕2戦目の1日・阪神戦は、4回を7四死球6失点と期待を裏切った。だが、2戦目で汚名をそそいだ岡田は「前回の登板は力が入りすぎていたので、今日は気楽にというか、力を入れずに自分の投球ができるように投げた」と笑顔も見せた。
2回に2点を先制してもらったが、その後はヤクルト先発の小川との投手戦を繰り広げた。岡田は「ストレートが最初はバラついてコントロールしづらかったが、試合中に徐々に修正できた」と、8回まで無失点に抑えた。
8回には、2死一、二塁と一発出れば逆転の場面で、バレンティンをフルカウントからのスライダーで空振り三振に斬った。2年目右腕は「この1球が勝負という気持ちで投げた。相手も打ち気でストレートを待っていると思ったので、そこでスライダーを投げきれた。今日はスライダーがいい感じで決まっていたので、ここ一番で使えてよかった」と、勝負どころの投球を振り返った。
プロ初完封目前の9回に1死一、二塁のピンチを作って降板した。投球数は140球を超えたが「キャンプからオープン戦と、球数を投げる練習をしてきたので問題なかった」と疲労した様子はなく、「完投は先発として最高の仕事だと思うので、これからもできるだけ長いイニングを投げたい」と意欲を見せた。
緒方監督は9回の続投について「完封というよりも、あそこまでいったら最後まで投げ切って欲しかった」と説明し、「岡田は秘めた力を持っているので、それを引き出したかった」と、さらなる飛躍も期待した。
前夜の加藤に続き、ドラフト1位右腕の好投で、黒田の抜けた先発陣の穴は、徐々に埋まりつつある。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo