今季のパ・リーグは新人が熱い? 米国では長いルーキーまでの道のり

3Aからメジャーまでは近いようで遠い?

 彼らのように期待通りに開幕メジャーを勝ち取った者もいれば、“伏兵”のベテランもいる。すでにマイナーリーグでは579試合に出場している27歳のブロック・スタッシはキャリア初のメジャーを開幕から勝ち取った。2011年ドラフト33巡目指名を受けて、フィラデルフィア・フィリーズのマイナー組織でプレーを続けてきた。千葉ロッテの有吉投手も九州三菱自動車に4年間在籍し、26歳のルーキーではあるが、れっきとしたプロ1年目だ。

 米国では“プロ入り”したときからプロスペクト(有望株)として各メディアでランキング付けされ、マイナーで結果を残していけば自然とメジャー昇格が騒がれ始める。だが、プロスペクトとして分類されない者たちにとっては、長く険しい道のりだ。結果を残しても、近いようで遠い世界となってくる。特に3Aの現場にいると、その距離の違いを感じてしまう。日米で同じルーキーという呼び名であっても、その競争力の違いもあり、米国ではルーキーとして呼ばれるまでの道のりが本当に長い。

 メジャーリーグでは前年25人枠在籍期間が45日以内、もしくは打者なら130打数以内、投手なら投球回50イニング以内の選手にルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人選手賞)の受賞資格が与えられる。一方、プロ野球では、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、前年までの出場が投手では30イニング以内、野手は60打席以内であれば新人賞受賞の資格が与えられる。

 多くの人々が学校や職場でルーキーとしての日々を送っているこの季節。グラウンド上でも、様々な背景でその場にたどり着いたルーキーたちが、キャリアで一度しか獲得することのない新人王受賞を目指して、今年も球界を盛り上げる。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」新川諒●文

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