ヤクルト入りのライバルとの再戦胸に プロ志望の左腕が大学で大きな一歩

好投の裏に女房役の存在、小林は同学年投手の投球に衝撃「ビックリした」

 直球とスライダーだけでも内野の頭を越されなかったのは「キャッチャーのリードが良かったので」と山野。称えられた同じ1年生捕手の小林は、初回の先頭打者に2ボール続き、「まっすぐで押せればと思いましたが、立ち上がりが悪かったので(山野が)自信のあるスライダーをうまく交ぜようと思いました。それでバッターを打ち取れたと思います」と話した。

 2月に入寮し、初めて山野のボールを受けた時は衝撃的だったという。「速すぎて、ミットがボールを弾きました。ストレートは伸びていて、スライダーもすごい。ビックリしました」と小林。オープン戦を通し、試合経験も積み、“バッテリー”になっていった。

 打っては、3打数3安打3打点とバットでも貢献。タイミングを取る時に足を上げず、テイクバックも小さくした大学野球仕様の打法がハマり、「自分はバッティングよりも守備側の人間。バッティングは打てたらいいなくらいです。今日は(投打に)完璧すぎるくらいでした」と自分でも目を丸くした。

 大学4年間の第一歩を順調に踏み出した2人。山野が「スタートは良かったと思います。これから試合が続くので、目の前の試合をしっかりと戦っていきたいです」と言えば、「経験が勝負になると思います。リーグ戦は続くので、経験値を高めていきたいです」と小林。桜の開花宣言が出されたばかりの仙台で、大学野球の桜を咲かせ始めた。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY