阪神・藤浪はどの部分が「未完」なのか データから見える課題とは

フィールディングの問題も…

 さらに、藤浪はフィールディングの問題も見られる。以下は、過去3年間の規定投球回数以上の投手の守備率。

〇2014年
1 山井大介(中)ら5人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .857(守備機会42、6失策)

〇2015年
1 ジョンソン(広)ら7人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .915(守備機会47、4失策)

○2016年 
1 菅野智之(巨)ら7人 1.000
最下位 藤浪晋太郎(神) .930(守備機会43、3失策)

 先発投手は年間、40数回程度しか守備機会がない。守備率100%も珍しくない。その中で藤浪の守備率は際立って低いと言えるだろう。年々守備率は向上しているが、まだ他の選手とは開きがある。自分の恵まれた体をうまく使うことができていないというのが率直な印象だ。また、守備機会で焦ってしまう、メンタル面も影響している可能性がある。

 数は多くはないが、自らの失策で失点するという防御率には現れない失敗も散見される。藤浪晋太郎のこうした課題は、一朝一夕に改善されるわけではない。しかしこうした弱点を意識することで、努力の方向性が見えてくるのではないだろうか。

*データは筆者独自計算に基づく

【了】

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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