「強打」の上を行く「恐怖」の2番打者!? 日本球界でもトレンドになるか

楽天ペゲーロが開幕から圧巻の活躍、過去の「強打の2番打者」といえば?

 カルロス・ペゲーロ外野手(楽天)のバットが火を噴いている。3月31日の開幕戦で延長11回にセンターへ特大アーチを放つと、4月2日には9回にオリックス・平野佳寿投手から値千金の逆転弾を叩き込んだ。6日にも変化球をうまく捉えてスタンドインさせ、ここまでリーグ3位タイの3本塁打を記録している。

 いずれもチームを勝利に導く決勝の2ランと、その勢いは止む気配がない。興味深いのは、梨田昌孝監督がペゲーロ選手を開幕から2番で起用し続けていることだ。昨季はシーズン途中の加入でわずか51試合の出場ながらも10本塁打をマークしていた強打者に、より多くの打席をまわすことが狙いだと指揮官は語っている。

 リードオフマンとクリーンアップをつなぐ役割としての2番打者像からかけ離れている点で、ペゲーロの2番起用には驚きと期待がある。カテゴリーを問わず「出塁した1番打者を2番打者が得点圏へ送り、信頼できる中軸のバットで返す」のが日本の野球では定石だ。2001年にシーズン最多となる67犠打をマークした宮本慎也内野手(ヤクルト)も、2013、2014年にパ・リーグ最多の62犠打を記録した今宮健太内野手(福岡ソフトバンク)も、2番打者としての出場が主だった。

 昨季、162試合制のメジャーリーグでは全30球団で1025本の犠打が記録されたが、プロ野球は12球団で1367本(パ・リーグ802本/セ・リーグ565本)と送りバントの頻度は断然高い。だが、犠打で走者を進めるのが勝つための戦術なら、2番に安打で進塁させることができる選手を置くこともまたしかり。強行には併殺打のリスクも伴うが、打ってつなげばアウトを献上することなく得点のチャンスが拡大する。

 そこで、ここでは2000年以降の主な「強打の2番打者」の打撃成績を見てみよう。

※成績は2番での先発出場時のもので()内はシーズン通算成績

◯小笠原道大選手(2000年・日本ハム)
120試合 打率.341 27本塁打 92打点 長打率.569(135試合 打率.329 31本塁打 102打点 長打率.552)

◯ペドロ・バルデス外野手(2001年・ダイエー)
120試合 打率.317 19本塁打 72打点 長打率.501(137試合 打率.310 21本塁打 81打点 長打率.489)

◯二岡智宏内野手(2002年・巨人)
87試合 打率.286 21本塁打 60打点 長打率.529(112試合 打率.281 24本塁打 67打点 長打率.520)

◯二岡智宏内野手(2003年・巨人)
79試合 打率.299 18本塁打 38打点 長打率.509(140試合 打率.300 29本塁打 67打点 長打率.487)

◯清水隆行外野手(2004年・巨人)
115試合 打率.312 16本塁打 51打点 長打率.479(135試合 打率.308 16本塁打 60打点 長打率.458)

◯嶋重宣外野手(2004年・広島)
65試合 打率.331 13本塁打 37打点 長打率.528(137試合 打率.337 32本塁打 84打点 長打率.560)

◯アダム・リグス内野手(2006年・ヤクルト)
123試合 打率.296 37本塁打 86打点 長打率.565(142試合 打率.294 39本塁打 94打点 長打率.558)

◯谷佳知外野手(2007年・巨人)
109試合 打率.326 9本塁打 46打点 長打率.451(141試合 打率.318 10本塁打 53打点 長打率.431)

◯栗山巧外野手(2009年・埼玉西武)
129試合 打率.272 12本塁打 55打点 長打率.402(140試合 打率.267 12本塁打 57打点 長打率.394)

◯川端慎吾内野手(2015年・東京ヤクルト)
70試合 打率.357 6本塁打 30打点 長打率.488(143試合 打率.336 8本塁打 57打点 長打率.439)

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