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阪神OBの元投手コーチ、藪恵壹氏が推す投手陣のキーマンは8年目右腕!?

プレートを踏む位置は、持ち球とリリースポイント次第

 海の向こうでは、レンジャーズのダルビッシュ有投手がプレートを踏む位置を一塁側から三塁側に戻し、乱調だった開幕戦以降は快投を続けている。2012年には阪神で投手コーチを務めた藪氏は、プレートを踏む位置は「持ち球にもよるし、球の出どころにもよる」と解説する。

「右打者のアウトローにコントロールよく真っ直ぐを投げたければ、基本は一塁側を踏んだ方がいい。狙う場所とリリースポイントの距離ができるだけ近い方がいい訳ですから。三塁側を踏めば、右打者の外角には腕がクロスして斜めに投げる感じになって、少し距離が長くなります。

 あとはボールの特性ですよね。ツーシームやシュート系の球を軸にする投手は一塁側が多い。だから、メジャーの投手はほとんど一塁側を踏んでいる。サイドハンドで投げる投手もそうですね。

 自分の球の出どころ=リリースポイントがどこに来るのかも大事。できれば、約61センチあるプレートの中に収まっていた方がいい。それぞれバッターには『ボールがこの枠内に入っていればストライクゾーン』という目安がある。投手から見れば、そのストライクゾーンから打ちに来たところでボールに外れる球が投げられれば、一番打たれないんですよ。

 それに気付いたのは、元ツインズの左腕ヨハン・サンタナ(04、06年サイ・ヤング賞受賞)の写真を見た時。彼のリリースポイントはプレートの真ん中くらいで、真上から叩くように投げるんですよ。そこから真っ直ぐ、チェンジアップ、スライダーが方々にグワッと分かれる。打者にとっては厄介ですよね」

 春にはキャンプ地・沖縄にも出掛け、秋山の投球を見たという藪氏は「5試合投げるうち、2試合は打ち込まれないようにできればいい」と話す。

「もちろん、勝ちが付くに越したことはないけど、勝ち負けは自分の手の届かないようなところにある。だから、とにかくQS(クオリティスタート、6回以上を投げて自責点3以下)を目指してほしいですね。できれば、3点はあげないで2点で終われるようにしながら、QS率を上げていけばいい。今年はそれができると思うし、期待しています」

 開幕で先発ローテ入りした今季は、1軍に定着して勝利に貢献することができるのか。高卒8年目の25歳右腕の奮起に期待したい。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

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