昇格待つホークス左腕 フォーム修正で最速146キロ 不振1軍を救えるか
中継ぎ候補も開幕1軍逃した飯田、ファームで順調な仕上がり
声がかかるのを待ちわびている男がいる。ソフトバンクの飯田優也投手。福岡・筑後市内にあるファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で、左腕は今、汗を流している。
「いつ呼ばれても大丈夫です。真っすぐも、変化球も戻ってきた。準備万端です」
そう話す表情には、失いかけていた自信が戻ってきていた。
18日のウエスタンリーグ中日戦(タマスタ筑後)の9回にマウンドに上がった飯田。先頭の赤田を中飛、続く友永に左前安打を許したが、続く三ツ俣をを二ゴロ併殺打に取り、勝ちゲームを締めくくった。真っすぐは常時140キロ台中盤、最速は146キロをマークしていた。
左の中継ぎ候補として期待されていた飯田だが、オープン戦終盤に不振にあえいだ。3月20日のDeNA戦(横浜)では1イニングを投げて3つの四球。同24日の広島戦(ヤフオクD)では打者3人に対し、2つの四球を出し、1つのアウトしか取れなかった。課題とされていた制球が、これまでよりも悪化していた。真っすぐも140キロを越えるのがやっと。再調整を命じられ、開幕1軍を逃した。
「昨秋からインステップを修正しようとやってきたんですが、それが行き過ぎて、足が開くようになってしまっていた。体が開いて、下半身が使えていなかった。それで上半身の力で投げてしまっていた」
ファーム降格後、映像を見返すと、自身のフォームが崩れていることに気付いた。
「多少インステップになってもいい」と修正に着手すると、状態は改善。球速は戻り、制球も安定してきた。「下半身を使えるようになって、肘が上がるようになりました。今は上半身に力を入れなくても、球速が出るようになった」と、手応えをつかんできている。
「いつ(1軍に)呼ばれてもいいように、この状態を維持して、ちょっとずつ上げていきます」と飯田。チームは7勝8敗の借金1で4位に沈む。先発陣の不振で、リリーフ陣に負担がかかっている状況にある。ロングリリーフもこなすことが出来る左腕が戻れば、台所事情を救うピースになれる。
【了】
福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani