松井稼頭央が球史に名を残す大選手に 史上8人目の2000安打&200HR&200盗塁
ベテランにとっては盗塁が最大の難関
2351安打、220盗塁の川上哲治は、ボールが飛ばない戦前からプレーしているため181本塁打で終わった。2471安打、444本塁打の長嶋茂雄は新人の1958年に37盗塁しているが、190盗塁で終わった。2530安打、476本塁打の金本知憲も2000年には30盗塁しているが、167盗塁で終わっている。
若いころは、俊足で鳴らした強打者も、35歳を過ぎればめっきり走らなくなることが多い。ベテラン選手にとっては盗塁が最大の難関になる。
3割、30本、30盗塁をトリプル3と言うが、2000本安打、200本塁打、200盗塁は、それに近い成績を生涯にわたって続けたということができる。
現役では、新井貴浩が2125安打、309本塁打しているが42盗塁、荒木雅博が1973安打、374盗塁しているが33本塁打、3つの大台をともにクリアしそうな選手は、当面見当たらない。
8人のうち、有藤道世と現役の松井稼頭央を除いて野球殿堂入りしている。松井も球史に名を残す大選手になったということだ。
【了】
広尾晃●文 text by Koh Hiroo