データが示す名手イチローの右翼守備 打撃と並び守備でも歴史的領域へ
ゴールドグラブ10度のイチロー、守備の確実性でも傑出
イチローは外野手として10回ゴールドグラブを受賞しているが、これは、クレメンテ、ウィリー・メイズの12回に次ぎ、アル・ケーライン、同僚だったケン・グリフィJr.、元楽天のアンドリュー・ジョーンズと並ぶ3位タイだ。
また、2007年は中堅手として起用されたため、この年も右翼手として出場していれば、すでに2100試合に到達していたはずだ。
イチローは右翼を守った回数が多いだけではなく、守備率でも傑出している。
【右翼守備率歴代5傑】
()内は実働年数
1.テリー・プール(15) .9936
2.ニック・マーカキス(12) .9935
3.デーブ・マルティネス(16) .99153
4.イチロー(17) .99148
5.ピート・ローズ(24) .9914
今季も現役としてプレーする中には、アトランタ・ブレーブスのニック・マーカキスという右翼守備の名手がいる。33歳の働き盛りだ。10歳上のイチローは彼にわずかに劣るが、史上4位の守備率を誇っている。
長いペナントレース、レギュラーの外野手に故障が発生することもあるだろう。そういう時、イチローはハイレベルな外野守備でもチームに貢献できる。守備でも43歳とは思えない高いパフォーマンスを維持しているのだ。
【了】
広尾晃●文 text by Koh Hiroo